多くの人は結婚したら一緒に暮らすことになるでしょう。しかし、賃貸物件で毎月支払いをしながら暮らすなら、マイホームを購入してローンを返済したほうがよいのではないかと考えることもあるでしょう。しかし、大きな買い物ですので、「払いきれるのかな?」、「他の人は何歳で家を買うのだろう?」といった疑問や不安があるのではないでしょうか。ここでは家を購入する人の平均年齢や年収について詳しく紹介していきます。これを参考にして家の購入時期を考えてみてください。
家を購入する人の平均年齢は?
結婚して夫婦で暮らすようになると、自然と意識するのが家の購入時期でしょう。家の購入を考える際に気になるが、家を購入する平均年齢。「世間一般の人は何歳くらいで家を購入するの?」と疑問に思うかもしれません。国土交通省「平成29年度 住宅経済関連データ」によると、三大都市圏(首都圏、中京圏、近畿圏)での注文住宅の購入者の平均年齢は46.1歳です。平成28年度は42.8歳で、平成27年度は42.6歳ということを考えると、平均年齢が次第に高くなっていることが分かります。
家を購入する人の平均年収
続いて、家を購入する人の平均年収についても見ていきましょう。国土交通省「平成29年度 住宅経済関連データ」によると、首都圏において家を購入した人の平均年収は818万円(平成29年度)となっています。平成28年度の平均年収は806万円で、平成27年度は786万円です。次第に平均年収が高くなっているのが分かります。というのも、年齢が上がると平均年収が上がるということから、年齢との相対的な要因が考えられます。平均年齢が上がったことで、平均年収も上がったということでしょう。つまり、年収が高くならないと家を買えなくなったというわけではなさそうです。
20代・30代での家の購入は早い?
これを読んでいる人のなかには、「平均年齢が40代で、平均年収が800万超ということを考えると、自分たちには家の購入はまだ早いのではないか」と感じる人もいるかもしれません。しかし、そんなことはありません。先ほどのデータでは家の購入の平均年齢が高くなっていることが分かりましたが、それには晩婚化や未婚率の増加が背景にあるのです。独身の場合には賃貸物件でも十分事足りるという人も多いので、結婚する前に家を買うという人はなかなかいないでしょう。そうして結婚するのが遅くなることによって、自然と家を購入する年齢も高くなるというわけです。先ほどもお伝えしたように、年収については年齢が上がったことで相対的に上がったということでしょう。そのため、20代30代に買うのは早いというわけではありません。家を買うだけの条件や理由が整っていれば、20代・30代で家を購入するのはおすすめと言えるのです。
【参考】
内閣府「少子化対策の現状」
厚生労働省「平成28年度 人口動態統計特殊報告『婚姻に関する統計』の概況」
20代・30代と若いうちに家を購入するメリットとデメリット
若いうちに家を買うのがおすすめとお伝えしました。とはいえ、根拠なくおすすめされても「若いうちに買う必要はあるのかな?」と疑問に感じるかもしれません。そこで、若いうちに家を購入するメリットとデメリットについて以下に紹介していきます。
若いうちに家を購入するメリット
まずは、メリットから見ていきましょう。20代・30代と若いうちに家を購入するのには、大きく2つのメリットがあります。
■メリット1:定年までに住宅ローンを完済できる
住宅ローンを組むときに、気にするべきことはローンの返済計画です。住宅ローンは最長で35年。もちろん月々の支払いはローン返済だけではないので、毎月返せるお金はそう多くはないでしょう。そうしたことから、35年ローンにする人も多くいます。仮に40歳で35年ローンを組んだとして、ローンの返済を終えるのが75歳。仕事を定年退職してもローンを払い続けることになります。しかし、30歳で35年ローンを組めば65歳に返済が終わる、つまり退職後は返済のことを考えなくても済むというわけです。これは大きなメリットと言えるでしょう。
■メリット2:家を購入したほうが結果的にお得になる
家の購入は高額な買い物です。金額が金額なので、若いうちに買うことをためらう人も多いでしょう。しかし、長期的にみれば若いうちに家を購入したほうがお得になるのです。結婚すると夫婦で一緒に暮らすようになります。多くの場合は賃貸物件を借りるということになりますので、毎月家賃を支払わなくてはなりません。いずれは家を買うと考えているのであれば、家賃として支払っている分は少しもったいないかもしれません。家賃や管理費として支払っている分を住宅ローンの返済にすれば、ローン返済を早く終わらせることができます。
若いうちに家を購入するデメリット
デメリットについても見ていきましょう。若いうちに家を購入するデメリットは2つあります。
■デメリット1:離婚で家を売る可能性が高い
若いうちに家を購入するときの一番のデメリットは、離婚で家を売る可能性が高いということでしょう。若いうちは資産も少ないですし、年収もそう多くはありません。そこで、夫婦共働きでローンを払っていく予定を立てることもよくあります。しかし、住宅ローンを組んで家を建てたあとに、離婚してしまうこともあるかもしれません。そうなると、財産分与やローンの支払いという問題が出てきます。離婚後に1人でローンを支払い続けるというのは現実的に厳しいという結論となるでしょう。その結果、家を売って財産を分けることになるのです。
■デメリット2:家族の人数が増えることもある
もう1つのデメリットとしては、家族の人数が増えることもあるということです。購入時に「子供は2人欲しいから子供部屋を2つ用意して……」などと考えます。嬉しい誤算ですが、2人以上子供を授かることもあるでしょう。そうなると、当初の予定として考えていたようにはいきません。「部屋の数が足りない……もう1部屋増やしておけばよかった」と後悔する可能性もあるというわけです。
家を購入する前に考えておくべきこと
家を購入したいと思った場合には、事前に考えておかなければならないことがあります。それはローン返済の計画についてです。
まずは、現段階での収入と支出を見なおしましょう。毎月いくら給料をもらって、いくら支払っているのかまとめてください。最近では簡単に家計簿をつけられるアプリもありますので、そういったものを活用すると便利です。まとめたら、いくらローン返済に充てて、いくら貯金をするのかなどと考えてみてください。家の購入の際にその計画が破綻するようでは、後々生活が苦しくなってしまいます。
また、定年までにローンが返済できるように考えてみてください。定年後の年金生活では毎月の生活も厳しくなってしまいます。「40歳で35年ローンを組んでも繰り上げ返済で65歳までに返済すればよいか」と思う人もいるかもしれません。そう簡単にはいきません。子供が高校・大学と進学すると、教育費が膨らんでいきます。そうすると、住宅ローンの繰り上げ返済ができなくなってくるでしょう。
住宅価格の平均は、年収の5~7倍ほどです。これを目安として、ローン返済計画を立ててみましょう。自分たちの払える範囲で無理なく購入することをおすすめします。
ちなみに、家の購入には国からの税制上のサポートがあります。住宅ローン控除といって住宅ローンを一部控除(免除)してくれる制度があるので、忘れることのないよう申請をしましょう。住宅ローン控除について詳しく知りたい人はこちらの「住宅ローン控除とは?」をご覧ください。
以上、マイホーム購入の平均年齢や年収、それから若いうちに家を購入することのメリットとデメリット、購入前に考えておくべきことについて説明しました。これを参考にして、家の購入を考えてみてはいかがでしょうか。
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