不動産を買うときには、登記簿に載せる所有者の名前、つまり名義を決める必要があります。夫の名前なのか、妻の名前なのか、もしくは連名なのか。「名義はどうしたらよいの?」と迷う方もいらっしゃるでしょう。そんな方のために、ここでは共有名義で不動産を所有するメリット・デメリットについて紹介していきます。これを参考にして名義を共有にするのかどうか決めてみてください。
共有名義とは
共有名義とは、登記簿に載せる所有者の名前が2人以上となることです。2人以上が共有して所有者になるというわけです。多くの場合は、1人分の年収や資産では不動産を買えないという理由から2人以上でお金を出して共有名義とすることになります。例えば、夫婦共働きで住宅ローンの返済をしていくご家庭も多いようです。その際には、夫婦の共有名義となります。
持分割合とは
持分割合というのは、1つの不動産を複数人で所有している場合に、出資している割合のことです。例えば、ローンの支払いで夫が4分の3を、妻が4分の1を負担する場合には、夫が4分の3の共有持分、妻が4分の1の共有持分ということになります。もし、妻が4分の1しか支払い能力がないのに2分の1を持分にしようとすると、4分の1の金額は夫から贈与を受けていると判断されます。そうなりますと、贈与税がかかる可能性がありますので、注意が必要です。
単独名義とは
その一方で、登記簿に載せる名前が1人の場合、つまり1人が所有者となる場合を単独名義と言います。不動産を買うための資産が十分にある場合、それから年収が高額な場合には単独名義での不動産購入ができるでしょう。
共有名義のメリット
共有名義にすることにはどんなメリットがあるのでしょうか。ここでは3つのメリットを紹介していきます。
メリット1:相続税を節税できる
まずは、相続税にまつわるメリットです。名義人が亡くなってしまうと、その不動産は遺産となります。遺産を相続するには高額な相続税がかかります。仮に共有名義で半分支払っていれば、不動産の半分は相続税を支払う必要はなくなるというわけです。
メリット2:買える不動産の金額が高くなる
現金で不動産を購入する人はほとんどいないでしょう。多くの場合は住宅ローンでお金を借りて家を買うということになります。その住宅ローンを借りる際には、資産や年収などに応じて審査が行われます。資産が多く、年収が高ければ、その分だけ多くローンを借り入れることができます。共働きの夫婦であれば、1人よりも夫婦合わせたほうが、資産や年収の金額が高くなりますので、買うことのできる不動産の金額が高くなるというわけです。
メリット3:売却するときの控除額が多くなる
マイホーム(居住用財産)を売却するときには、3,000万円の特別控除の特例があります。つまり、売却価格が3,000万円までなら税金が免除されるということです。夫婦2人の共有名義であれば、これが6,000万円までに上がります。
共有名義のデメリット
メリットについて知ったところで、続いてはデメリットについて見ていきましょう。共有名義のデメリットを2つ紹介します。
デメリット1:離婚したら売却する可能性が高い
住宅ローンを組んでマイホームを建てたあとに、離婚をしてしまうこともあるかもしれません。離婚した場合には、どちらかがローンを1人で払いきれる能力があって、家に残りたいと思うのであれば、売却する必要はありません。ただ、何十年もローンが残っている場合には支払いきれる可能性が少ないでしょう。支払いきれないとなると、買ったばかりのマイホームを売るということになるのです。
デメリット2:売却しづらくなる
デメリットの2つ目は、共有名義にすると売却しづらくなるということです。共有名義の場合には所有者全員の許可がないと、不動産の売却はできません。
以上、共有名義で不動産を購入するメリット・デメリットについて紹介してきました。これを参考にして名義を共有にするのかどうか決めてみてください。
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