家と電卓

「一戸建てやマンションを買おうと考え始めたけれど、固定資産税っていくらくらいかかるの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。ここでは、固定資産税に関する基礎的な知識と、固定資産税の計算方法を紹介します。これを参考にして、自分が買おうとしている物件の場合には、いくらくらいかかるのか計算してみてはいかがでしょうか。

 

そもそも固定資産税とは

固定資産税とは、土地や家といった固定資産にかかる税金のことです。毎年1月1日に所有者となっている方に課税され、その金額などを書いた納税通知書が4~6月頃に送られてきます。
1月1日の段階での所有者に課税されるので、例えば1月2日に売却した場合でも固定資産税の納税通知書は送られてきます。しかし、1月に売ったら損ということはありません。年の途中で家を売却した場合には、基本的には日割りして買主が固定資産税を負担するということになります。
また、「納税通知書が送られてこなかったらどうしよう?」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、必ず送られてきますので心配はいりません。ただ、納税の期限が6月下旬のものが、6月初旬に送られてくるといったように、納税通知書が来てから支払い期限までの期間が短いということはありますので注意してください。

 

固定資産税を支払う時期

支払いのタイミングに関しては、地方自治体によって変わります。納税額が決まって納税通知書が届くのが4~6月ですので、その時期を目安として考えてください。支払い回数は1回、もしくは4回となります。4回払いにした場合には、残りの3回は7~9月、9~12月、2月が納税期限の目安となります。

 

固定資産税の特例措置

計算方法を説明する前に、特例措置について紹介していきます。ほとんどの方は特例措置の対象となり、固定資産税が減額されます。固定資産税の計算の際に使いますので、よく見ておいてください。

 

■住宅用地の特例措置
住宅用に使っている物件の土地については特例措置の対象となります。
住宅1戸につき、200平方メートルまでは評価額が6分の1となり、それ以上は評価額が3分の1となります。
例えば、500平方メートルの場合を考えてみましょう。この場合は200平方メートル分が6分の1、残りの300平方メートル分が3分の1の評価額になるというわけです。

 

■新築住宅の特例措置
新築の一戸建てや新築マンションで「居住部分の床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下」であれば、特例措置が適用されます。固定資産税が2分の1となります。ポイントは固定資産の評価額ではなく、固定資産税自体が半分になるというところ。減税される期間は以下の通りです。

 

・通常の新築物件……3年度分
・3階建以上の耐火・準耐火建築物……5年度分
・認定長期優良住宅……5年度分
・認定長期優良住宅かつ3階建以上の耐火・準耐火建築物……7年度分

 

固定資産税の計算方法

さて、気になる固定資産税の計算方法についてです。簡単に説明すると、以下の計算式で調べることができます。これを使って土地と家屋、それぞれ計算します。

 

固定資産評価額×税率

 

■固定資産評価額
固定資産評価額とは「固定資産課税台帳」に記載されている金額のことです。これは市区町村の役場に行けば見ることができます。「そこまでするのは面倒だし、時間がない」という方もいらっしゃるでしょう。そんな方は、土地の価格・建築費用の7割をそれぞれ計算してください。それが評価額のざっくりとした計算となります。
おおよその土地の価格は、国土交通省「地価公示都道府県地価調査」から調べることもできます。

 

■税率
税率は地方自治体ごとに違います。ただ、標準税率は1.4%と決められていますので、ざっくりと計算したい方は税率を1.4%とするとよいでしょう。

 

固定資産税の計算の具体例

計算方法を見て「なんかよく分からない」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。そこで、計算の具体例を見ていきましょう。

改めて確認しますと、固定資産税の計算式は「固定資産評価額×税率」です。具体例として、以下の条件で考えていきます。

 

・新築一戸建て
・床面積は50平方メートル以上280平方メートル以下
・土地は200平方メートル以下
・土地の価格1,500万円
・建築費3,000万円

 

■土地にかかる固定資産税の計算
評価額 = 土地の価格(1,500万円)×70% = 1,050万円
※ここに特例措置が適用され、6分の1の金額が減税後の評価額となります。
評価額 = 1,050万円÷6 = 175万円
土地にかかる固定資産税 = 評価額(175万円)×税率(1.4%) = 約3万円

 

■建物にかかる固定資産税の計算
評価額 = 建築費(3,000万円)×70% = 2,100万円
建物にかかる固定資産税 = 評価額(2,100万円)×税率(1.4%) = 約30万円
※ここに特例措置が適用され、2分の1の金額になります。
建物にかかる固定資産税 = 約30万円÷2 = 約15万円

 

■固定資産税の金額
固定資産税 = 土地にかかる固定資産税(約3万円)+建物にかかる固定資産税(約15万円) =約18万円
つまり、この条件では固定資産税は約18万円となります。これは1年間の金額ですので、毎月1万5,000円支払うというわけです。

 

以上、固定資産税に関する基礎的な知識と、固定資産税の計算方法を説明してきました。これを参考にすれば、固定資産税を計算できるはずです。買おうとしている物件の固定資産税がいくらかかりそうか、計算してみてはいかがでしょうか。

 

参考:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)
参考:総務省自治税務局固定資産税課「固定資産税制度について」
参考:国土交通省「土地情報情報システム」

 

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