不動産を取得するときには、土地や建物の金額以外にも、仲介手数料や印紙税などの費用がかかりますよね。もちろん、不動産を売るときにも仲介手数料や印紙税などの費用はかかります。こうした費用の1つに「不動産登記」があります。これを聞いて「不動産登記ってなに？」、「費用はどのくらいかかるの？」といった疑問を感じた方も少なくないでしょう。

そこで、ここでは不動産登記の概要と種類、それから費用相場について紹介していきます。

不動産登記ってなに？

「そもそも不動産登記とはどのようなもの？」と疑問に思っている方も少なくないでしょう。不動産登記というのは、「マイホームを購入したり、中古物件を取得したりした際、法律上の所有者や権利を明らかにするもの」さらに「不動産の現在の状態を明らかにするもの」です。

例えば、AさんがBさんから中古物件を買ったとします。法律上Bさんの物件だったものをAさんに権利を渡すことになりますよね。その際には不動産登記をして、所有権をBさんからAさんに移します。所有権者がBさんからAさんに移ったことを法律上、明確にするために不動産登記をおこなうというわけです。そうすることによってAさんがその不動産を所有していることを証明できるので、銀行などから住宅ローンを借りることができるようになったり、その不動産を売買できるようになったりします。また、不動産を相続するときにも登記をすることになります。

不動産登記の種類について

不動産登記には様々な種類の登記があります。以下にそれぞれ紹介していきます。

・「保存」、「設定」の登記（新たな権利を記載する際の登記）
→「所有権保存登記」など

・「移転」登記（権利を他人に移す際の登記）
→「所有権移転登記」　など

・「名義変更」の登記（権利者の名前を変更する際の登記）
→「住所の変更登記」など

・「変更」、「更正」登記（すでに登記簿に載っている情報を書き換える登記）
→「変更登記」、「更正登記」など

・「抵当権」登記（ローンを借りる際の登記）
→「抵当権設定登記」など

・「抹消」登記（登記簿に載っている登記を削除する）
→「抵当権抹消登記」など

新築の家を建てたときの登記なのか、中古物件を買ったときの登記なのか、はたまた不動産を相続したときの登記なのかによって、登記の種類が変わるということを知っておいてください。

不動産登記の費用って？

不動産登記の費用内訳には大きく分けて2つがあります。

1つ目は、登記費用です。国に納める登録免許税や法務局に支払う手数料で、いわゆる実費になります。

2つ目は、手続きにかかる費用です。司法書士や土地家屋調査士などに依頼する際の「専門家の報酬」です。

不動産登記における費用の相場って？

不動産登記の「実費」に関しては、不動産の固定資産税にかかる金額で、不動産の評価額から算出します。そのため、どこの司法書士に頼んでも同じ金額となるでしょう。

例えば、新築を取得し登記する場合。各種（土地の所有権移転登記、建物の表題登記、建物の所有保存登記、抵当権設定登記など）登録免許税の合計で20万円程度かかります。

一方、司法書士に支払う「報酬」は一律ではありません。なぜなら、それぞれ司法書士によって見積もり項目を自由に決めてよいことになっているからです。項目には「登録免許税」、「登記謄本代」の手数料のほか「交通費」、「通信費」、「立ち合い調査費」などがあります。それぞれの金額についても司法書士によって様々です。

では、一般的にはどのようにして報酬額を決めているのでしょうか？

「固定資産税評価額等によって」、「売買価格によって」、さらに「一度に取り扱う件数によって」決めているケースが多くあります。

固定資産税評価額が200万円の不動産と1,000万円の不動産とでは報酬額に差が出ます。また、同時に複数の不動産登記をおこなう場合と、単発で登記をおこなう場合とでは１件あたりの費用が変わるようです。
費用の相場としては「所有権移転登記」の場合で約3～7万円。「抵当権設定登記」で約2万～7万円となります。また、住宅ローンを設定している場合は10万円前後になります。目安ではありますが、これを参考にして考えておいてください。不動産登記を実際にする場合には、見積もりを出してもらうとよいでしょう。

以上、不動産登記の概要と種類、それから費用相場についてお伝えしてきました。これを参考にし、ご自身のケースと照らし合わせながら不動産登記にかかる費用を把握していきましょう。

不動産売買に関するご不明点等ありましたら弊社までお気軽にお問い合わせください。専門のスタッフが丁寧にご対応いたします。