不動産会社を介して、不動産を売却・購入する場合は、仲介手数料を支払う必要があります。
売主としては少しでも手元にたくさんお金を残したいですし、買主としてもなるべく出費は安く抑えたいところです。そのためには、不動産売買で発生する費用の中でも高額になる仲介手数料について、きちんと理解しておくことが大切になります。
仲介手数料とは何か、そして仲介手数料にはいくらかかるのか、こちらで紹介している計算式や早見表を活用して、事前に費用の目安を把握しておきましょう。
仲介手数料とは不動産会社へ払う成功報酬
仲介手数料とは、不動産の売買契約成立後に不動産会社へ支払われる「成功報酬」のことです。不動産の売却および購入する際の仲介を不動産会社に依頼した場合、この仲介手数料を支払う必要があります。
チラシやウェブサイトを利用した宣伝活動をおこなったり、売主と買主の間に入って契約条件をまとめたりなど、不動産売買にかかわるこうした活動に対する報酬として仲介手数料が発生するわけです。
しかし、ここで注意して欲しいのが、仲介手数料とはあくまで「成功報酬」であるという点です。
例えば、仮に買主が見つからず売買契約が成立しなかった場合、「成功」とはならないため、払うべき報酬も発生しません。この点は覚えておきましょう。
また、直接、不動産会社が販売している物件を購入する際も、売主と買主を仲介しているわけではありませんから、仲介手数料は発生しません。
以上のことを踏まえたうえで、今度は実際に発生する仲介手数料がどの程度なのか見ていきましょう。
仲介手数料の計算式と早見表
宅地建物取引業法では「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」として、不動産会社が仲介手数料として受け取れる上限額が決められています。多くの不動産会社は、この上限額で仲介手数料を請求しています。
それでは、さっそく売買金額の金額区分ごとに定められている仲介手数料を、どのように算出するのか、その計算式を紹介します。
1.販売価格が200万円以下
「仲介手数料」=販売価格×5.4%
2.販売価格が200万円超え~400万円以下
「仲介手数料」=販売価格×4.32%+2万1,600円
3.販売価格が400万円以上
「仲介手数料」=販売価格×3.24%+6万4,800円
これで仲介手数料をはじき出すことができます。
例えば、不動産の販売価格が1,000万円の場合を考えてみましょう。上記の計算式に当てはめると「1,000万円×3.24%+6万4,800円=388,800円」という形で仲介手数料を出すことができます。
とはいえ、計算が面倒な方もいると思いますので、販売価格に応じた仲介手数料がすぐに分かる早見表を用意しました。以下の表を参考に、仲介手数料がどの程度かかるのか把握しておきましょう。
販売価格 | 仲介手数料(税込) |
100万円 | 54,000円 |
200万円 | 108,000円 |
300万円 | 151,200円 |
400万円 | 194,400円 |
500万円 | 226,800円 |
600万円 | 259,200円 |
700万円 | 291,600円 |
800万円 | 324,000円 |
900万円 | 356,400円 |
1,000万円 | 388,800円 |
2,000万円 | 712,800円 |
3,000万円 | 1,036,800円 |
4,000万円 | 1,360,800円 |
5,000万円 | 1,684,800円 |
6,000万円 | 2,008,800円 |
7,000万円 | 2,332,800円 |
8,000万円 | 2,656,800円 |
9,000万円 | 2,980,800円 |
1億円 | 3,304,800円 |
仲介手数料の限度額について確認はできましたか?
ここでポイントになるのは、上記の金額は仲介手数料の「限度額」という点です。限度額ですので、原則としてこれ以上の金額を請求されることはありません。
ただし、仲介手数料は「通常の仲介業務で発生する費用」に対して支払われるものですので、そこに含まれない業務として特別なことを依頼した場合は、仲介手数料とは別に費用が発生します。
例えば、特別な広告宣伝や、遠隔地への出張などを依頼した場合は、プラスでお金が必要になります。その点は考慮しておきましょう。
仲介手数料が無料になったり半額になったりすることもある
仲介手数料は上限額よりも安くなることがあります。というのも、上記の表はあくまでも上限額であって、金額が上がることはなくても、下がることはよくあるのです。不動産会社で減額のキャンペーンを実施していたり、仲介手数料が上限額の半額になったり、無料になったりすることもあります。ですが、仲介手数料が不動産会社にとっての報酬になるはず。だとすると、不動産会社は仲介手数料を安くして、どうやって報酬を得ているのか、気になる人もいらっしゃるでしょう。
まず、売主と買主の両方から依頼を受けて不動産の売買契約が成立し、仲介手数料が支払われる形、これを「両手取引」と呼びます。
一方、別の不動産会社を通じて売主が紹介された場合、買主から仲介手数料をとることはできても、その売主から仲介手数料をとることはできません。こういう形式を「片手取引」と呼びます。片手取引だと、一方からしか報酬を得ることができませんが、両手取引なら売主と買主の双方から報酬を得ることが可能です。ですので、両手取引であれば、仲介手数料を安くしたり、片方の仲介手数料を無料にしたりしても、もう片方から報酬を得ることができるわけです。
このようにして仲介手数料は安くなることもあります。しかし、仲介手数料の安さだけで契約する不動産会社を選ぶことはやめましょう。安いのはよかったが、実際に契約してみると、きちんと営業してくれないといった事態も考えられます。
一方、仲介手数料は上限いっぱいでも、しっかり成約につなげてくれる会社もあります。担当者の話をじっくり聞いて、お金以外の面も考慮しながら不動産会社を選ぶようにしましょう。
仲介手数料を支払うタイミング
支払いのタイミングは、すでに述べてきたように、売買契約が成立した後になります。契約締結時と不動産の引き渡し時の2回に分割して支払うのが一般的です。それ以外にも、契約締結時に全額支払ったり、不動産引き渡し時に全額支払ったりすることもできます。支払うタイミングは不動産会社によって異なりますので、事前によく確認しておいてください。同時に、現金払いなのか、クレジットカード払いなのか、振込なのか、支払い方法についても確認しておきましょう。
ここでは、仲介手数料とは何か、そして販売価格に応じた仲介手数料の計算式や早見表を見てきました。自分が売ろうとしている不動産、あるいは購入しようと考えている不動産で、どのくらいの仲介手数料がかかるのか目安がつきましたか?もし「通常の仲介業務」しかおこなわれていないのに、上限額以上の仲介手数料を要求された場合は、その不動産会社を再考する必要があるかもしれません。ここで紹介した内容を考慮しながら、損のない形で不動産の売買を実現させましょう。
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