不動産の売却を考えるときに大きな問題となるのが、売却価格。ローン残高の支払いや、買い替えの費用を計算するときには、売却価格をおおまかにでも知りたいものです。しかし、売却の価格がどうやって決まるか知らない方も多いのではないでしょうか。ここでは不動産の売却を考える方のために、不動産の売却価格がどのように決まるのか、流れに沿って説明していきます。

まずは不動産売却価格の相場を調べる

不動産を売ろうと考えたら、まずは周辺の土地の不動産相場を調べてみましょう。広告チラシや不動産情報のウェブサイトを見ると、大体どのくらいの価格で売りに出されているか知ることができます。ただ、これは不動産の持ち主が考える売却希望価格です。実際に取引されるのは、ここで見た数字よりも安くなることに注意してください。

実際の取引価格がどれくらいか調べるときには、国土交通省が運営しているウェブサイト「土地総合情報システム」や、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営している「レインズマーケットインフォメーション」がおすすめです。売却価格は、駅や小・中学校、生活必要施設(スーパーや病院など)からの距離、それから築年数や、建物の広さ、日当たりといった様々な条件によって決まります。取引例を見るときには、これらのことを参考にしながら、持っている不動産の条件と見比べるとよいでしょう。

不動産会社に依頼して査定価格を出してもらう

次に、不動産会社に依頼して査定をしてもらいましょう。査定によって不動産の価値が分かります。査定を依頼する際に、注意してほしいことは2点あります。

1点目は、査定方法が不動産会社によって異なるということです。不動産会社によって査定額が変わるので、複数の不動産会社に査定を依頼するとよいでしょう。複数の査定価格は、売り出し価格を決める際の参考になります。さらに、複数の不動産会社に依頼すると、それぞれの対応を見ることができるというメリットもあります。仲介で不動産会社に依頼する場合、不動産会社を選ぶ参考になるでしょう。

2点目は、不動産会社によっては査定価格を高く設定していることがあるということです。不動産の持ち主が売却についての知識がない場合、査定価格が高いと、高く売れるのかと考えてしまうかもしれません。そうすると、査定価格が最も高い不動産会社に決めるという方もいるでしょう。仲介の契約を取りたい不動産会社が、周りよりも査定価格を高く見積もることもあるのです。査定価格に関しては鵜呑みにするのではなく、参考程度に留めましょう。

査定には2種類ある

不動産会社の査定には、数字だけで見積もる簡易査定と、現地で物件調査する訪問査定の、2種類があります。簡易査定は簡単に見積もりを出してもらえる反面、実際の査定額と大きく異なることもあります。
一方、訪問査定では、査定の際に現地へ付き添うという手間はかかりますが、正確な査定をすることができます。

売り出し価格を決める

さて、ついに売り出し価格を決める段階です。先ほど「まずは不動産売却価格の相場を調べる」という段落で見た、広告チラシや不動産情報のウェブサイトに載っている価格を覚えていますか?これが売り出し価格です。先ほどもご説明したように、実際に取引される価格は、この売り出し価格よりも安くなることがほとんどです。売り出し価格の相場と取引価格の相場、査定価格、それから売却希望価格を考慮して、売り出し価格を設定しましょう。

売却活動がはじまってからも売り出し価格を下げることはできますが、頻繁に価格を下げると、買い手が「この物件はもっと安くなるのではないか」と考えてしまいます。そのため、売却活動をはじめるときの売り出し価格を決める際は、不動産会社と相談の上、慎重に判断しましょう。

最後に買主と交渉をして売却価格(成約価格)が決まる

買い手は、売り出し価格や物件情報から気になる物件を探し、内見や交渉を経て、購入に至ります。この交渉段階では、価格に関しても交渉がおこなわれるのです。不動産の売主に売却希望価格があるように、買主にも購入希望価格があります。売主と買主が交渉をして、それぞれが納得したところで売買契約が結ばれます。このときに決まった価格こそが売却価格(成約価格)なのです。

以上が、不動産売却が決まる流れです。簡単にまとめると、「売却価格は、売り出し価格を基に、売主と買主が交渉をして決まる」ということです。不動産を売るときの参考にしてみてください。

 

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